宇都宮木鶏クラブ

未だ与に権るべからず

2021年04月14日

与に共にぶべし…

未だ与に権るべからず

しかんだいきゅう しめたま まな 1. <子竿第九> 子曰わく、与に共に學ぶべし、 未だ与に道に適くべからず。

与に道に適くべし、未だ与に立つべからず。

与に立つべし、未だ与に権るべからず。

(29-234)

「一緒に学ぶことはできても、一緒に相携えて同

  1. (現代訳) 先師が言われた。 じ道を行くことはむずかしい。

一緒に同じ道を行くことはできても、しっかりと

信念をもって一緒に世に立つことはむずかしい。 を同じくして物事に応じて正しく判断して進むことはむずかしい」。

一緒に立つことは出来ても、心

  1. (私的説明) 孔子様が、めずらしくしんみりとした態度で、教えて下さいました。 「人間というものは、仲良く並んで學ぶことは出来ても、いざ卒業となると、 同じ職 場に全てが進むことは難しい。 は共に立つ段階になります。 男同士なら同じ学部に入り、 男女なら結婚というこ とも考えられます。 ここまでは、上手くいったとします。 そうして、 同じよ うな立場になって、 同じ問題解決のための判断 《権る)》、つまり課題を正しく

たまたま就職や大学院も同じだったとしても、次

判断して対策を決め、実行するという事になります。 まず、男女が結婚して、親戚が増え、 子が生まれ育児就学・恋愛時代は、あん なに楽しい事ばっかりだったのに、これからは待った無しの現実の世界です。

よほど人間が出来ていないと、 立場 我欲があるから、 夫と妻の言うことが反対に、 なりやすい。 男同士だって、 同じ職場に入ると、 同じ部課の場合もあるが、たいていは違う部課に

配置されます。

そして、それぞれの背景が違ってきます。

そこで 《権る》 段階、 いろんな課題の解決つまり、会議で議論・決議が必要に なってきます。 いつもおなじ判断を続けられなくなり、アイツはこの頃変わった

ということに成りやすくなります。

ああ 、 人間同じく仲良く生き抜くこと

の難しさよ」。

  1. (この章からの学び) 孔子様も生きる難しさを抱えておられた。

私は、学びなが

ら、聖徳太子の、 《和を以て尊しとなす≫ の教えが、 心に響いてきました。 「それぞれが自分の得意を生かし、 相手を敬し、協力して世の中を発展させる」

私の理解ですが・・孔子様が言外に教えてくれた気がしました。 そして、「人間」 このむつかしきもの・・・「形から入るか、心から入るか」、という 言葉もあります。 形も心も大切です。 ただし、完全ではなく 「ほどのよさ」こそ

大切なのです。 論語の学びでは、

礼・・形 五感に感じる・形式立ち居ふるまい 音楽等。

和心 心づかいおもいやり評価。 つきつめれば、「礼の和をもって尊しとなす」 が大切となってきます。 そんなこ

とは十分に理解していますが、政治の立場からは、 多くのひとびとが理解しやすいよう に「和」 のみを用いて、上下の親しい結びつきを願ったのだと、 私は感じました。

以上

大沢

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