会長から2005年3月の致知をまとめたものを送っていただきまして、同じタイトルなんですね・・・
これは「読め!」ということかなと思って最初にこれを読ませていただいたので、ちょっとだけ時間をいただいて簡単にまとめた事をお話しした後、今回の致知の発表をしたいと思います。
なのですみませんちょっとだけ・・・こちらの2005年3月の致知に書いてあったとこなんですけど、巻頭の言葉が稲盛和夫さんで、「人間としての原理原則」の話をされていて、倫理や道徳は人のあり方を示す日常を律する基軸だったが戦後はむしろタブー視されて教育から排除されてしまったっということが書かれていました。
そして特集には当時、藤尾社長が大学の講義をした事が書かれていて・・・その時の大学生が、もの食べたりジュース飲んだりおしゃべりしたりして授業を受ける姿勢でなかったらしいんですよ。なので藤尾社長はその時準備していたものを全て放棄して、わざわざその学生に聞いてもらえるように授業したらしいんですね。
学生に向き合ったって事だと思うんですが、、、そんな感じなので授業後のレポートも期待してなかったわけですけど、終わった後レポート見たら、伝えた事を真剣に受け止めていたらしいです。つまり立派な感受性を備えていたっていうんです。「心のコップがちゃんと立ってなかっただけ」という表現をされていて、コップが倒れた状態だと水を注いでもそのまま、溢れちゃうよね。という事だと思います。つまり今の教育にはここが抜けているという事を2005年の時に書いていらっしゃるんですね。
時間がなくなってしまうので、後一つだけ、この号に倫理の丸山敏夫さんの記事がありまして、会長からこれを送っていただいた時に、これだけは先に読まないといけないと思って読んだですが、簡単にお話しすると
丸山敏夫さんと倫理について、語るという内容で、論語で言えば礼ですね「感謝」と「ありがとう」が書かれていて、結局はそれが「恩の溯原」という、先祖に繋がっていく・・・
まさに、これを倫理法人会と論語で学んで実践してきたんだなと感じました。
それを踏まえた上で今月の致知を読んで見たんですが、タイトルは同じ「運命をひらく」 ということで
まず巻頭の言葉を読みました。
巻頭の言葉「巧言令色、鮮なし仁」
「巧言令色」を見極め「自主独立」「独立自尊」を実践することが仁に繋がるという事が書いて有りました。
引用:「他者からの巧言令色を見極められず、騙されるのは愚かであり、とても仁者とは言えないと、自身にも門弟にも強く訴えていたのではないかと思うのです。」
耳障りが良い言葉とか自分にとって都合が良い言葉は受け入れやすいと思います。だからこそ、枝葉末節ではなく根本的な事を言ってるのかは深く考えないといけなくて、うわべで付き合っていると短期的には良くても、長く付き合ってみたら気づかずに騙されていたということが、あるんだろうなと思いました。
引用:「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。と、世界の厳しい現実から乖離した日本国憲法こそは、国民に対する巧言令色の最たるものではないでしょうか。巧言令色に対するすべは個々人が自主独立、独立自尊の精神を実践することであり、それこそまさしく仁と言えましょう。」
「自主独立」「独立自尊」というのは、これからの日本は取り戻さないといけない根本の考え方だと感じました。
今の子供達は終身雇用の時代は終わり、サラリーマンですら会社をまたいでいくことが求められると思います。誰かに選択を任せていては、生き残れない、そんな厳しい時代だからこそ、自ら行動し考える力が必要なのだと思います。
これ、2005年3月の致知には、「人のあり方」「道徳」「倫理」につていて教育から排除されてしまったと書いてありました。今回の致知でも、やはり、教育の根本として学ばなければならない、自立自尊の考え方が抜け落ちているということを言ってるんではないかと感じて、ちょっとリンクする部分があるなと思いました。
P10 特集「運命をひらく」
出会いや成長には「二つの原理」があると書かれていました。
人は本物と出会い、困難に向き合うことで成長するということだと思います。
これを実践した人として二宮尊徳のことが書いてありました。
引用:「我が道は至誠と実行のみ。故に才智、弁舌を尊ばず。至誠と実行を尊ぶなり。凡そ世の中は智あるもの学あるも、至誠と実行とにあらざれば事は成らぬものと知るべし。運命をひらく道に、近道はない。」
二宮尊徳の言葉にある至誠というのは「まごころ」だと知りました。
論語で言えば「恕」だと思います。人のにために学び行動することは、最終的には自分と向き合うということに繋がると思うので「人としてのあり方」を考えるようになるのではないでしょうか。
「巻頭の言葉」でもありましたが、この部分の教育が抜け落ちていると効率化や損得で物事を判断するようになってしまうので、困難な状況になった時、それを受け入れるということが難しくなってくると思います。
これ、2005年3月の致知には、「学生のコップが立っていない」という話がありましたが、「受け入れる」力が弱くなっているんだと思うんです。私もそうですが、自分のためだけに学んでいると、「自分の好きな事しか学ばない」ので視野は狭くなりますよね。そうすると、この木鶏クラブもそうですけど尊敬する人物との出会いの可能性が限りなく少なくなってしまうと思います。そういう意味で「運命を開く」には、素直な気持ちで行動することが大切なんだろうなと感じました。
P12 運命をひらくリーダーの条件
ユニクロの会長兼社長の柳井正さんのお話は、自分がまず目標や夢を語り、トップダウンで社員に諦めない姿を見せることで、社員がそれをならってボトムアップしていくという、スケールの大きいお話が書いてありました。
私は、日本代表の監督の経験もある岡田監督の話がわかりやすいなと思いました。
引用:「柳井さんのおっしゃる日本人の主体性のなさは、日本のサッカーが勝てない原因でもあるです。日本の選手は監督から言われた事は
真面目にやるけど、大事な局面で自分で判断することができない。」
サーカーで日本代表を応援していた時に感じた違和感は主体性にあったのかと思ったら、すごく分かりやすいなと思って、監督だけ頑張っていてもダメで選手も同じ意識で上を目指していないと「運命をひらく」ことは出来ないんだと思いました。
これをコロナに置き換えると、政治だけに責任を押し付けていても解決出来ない問題だと気づいて、今自分たちに出来ることは何なのか自主的に考えないといけない局面にきているのではないかと思いました。
引用:「僕は練習の時、グラウンドにコーンを並べてその周りを走らせることがあるんですが、選手の半分くらいは僅かに距離が短い内側を回るんですよ。内も外も大して変わらないと。そこで僕はいうんです。確かにその通りだと。しかし運というのは誰にどこにも流れていて、それを掴むかつかみ損ねるかなんだと。お前たちがたった一回内側を回ったために、運をつかみ損ねてW杯に行けないかもしれないんだとコーンの外側を回るようなことが自然ときっちりできるかどうかが明暗をわけると思うんです気。」
それと事前の準備をきっちりすることが、運命を開いていくことに繋がるという話でけど、運を掴む人は日頃の練習から全力でやっているというのはそうだなと思いました。
私も若い時、陸上をやっていて試合の前にアップするんですけど、これはアップだからと手を抜いた時は必ず出遅れているんですよね。常に誠実に全力で向き合うことで初めてチャンスが回ってくるんだと思います
引用:「僕がこうして運命を開いて来れたのは、諦めなかったからだと思うんです。何事も簡単に諦めない。そして諦めないために大切にしているのが、すべては自分に必要なことだと考え、受け止めることです。」
諦めないために大切にしていることが受け入れる事というのが印象に残りました。
撓むという言い方もあると思いますが、今、「自分の成長に必要だから、こその苦難」と思えばむしろ前を向かないといけないと思いました。
図らずも感染が拡大している今、強制力はない非常事態宣言を出したとしても人の動きは変わらないかもしれません。だからこそ、自分で考えて行動しなければならない。苦難を受け入れる胆力が求められているんだなと感じました。
P22 かくして成功の扉はひらかれた
小惑星探査機「はやぶさ2」のプロジェクトマネージャー津田さんのリーダーとしてのミッションを成功させるまでのエピソードが書かれていました。
中でも印象に残ったのが
引用:「最後までバラバラになることなく、問題が生じたら解決に向けて皆んなで頭を捻って答えが出せる。そういうチームにしたいと思ったんです。なので、それぞれのメンバーがどういうバックグラウンドを持っているのか、「はやぶさ2号」にどういう思いで携わっているのかということをまず知る。そこを理解した上で、「じゃ、こういう役回りでやってくれないか」と。そうやって一人ひとりと個別にコニュニケーションを取り、丹念に調整していきました。」
一人ひとりのメンバーと誠実に向き合ったという話が印象的でした。全員が同じ方向を向くには効率だけ考えていてもダメで、それぞれの意見をしっかり聞き、向き合う事が大切だと感じました。
私も規模が大きいWEB制作などでプロジェクトチームを立ち上げる時は、まずそれぞれの個性を理解した上でコンセプトを共有するところからはじめます。時間はかかりますが、これをやっておかないと作品のクオリティーが落ちてしまうので重要なプロセスです。スケールは全然違いますが、成功の扉は全員が同じ方向を向いていたから開かれたのだと思いました。
引用:「チーム全体が高い目標に向かって強いモチベーション、目的意識をきちんと持っていること。言い換えれば、仕事を楽しむ。隙さえあれば面白いことをやってしまう遊び心がなければ物事は成就できないと思います。」
論語にも「子曰く、これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず」とあるように「物事の知識がある人であっても、好きな人には叶わない。さらに、好きな人であっても、それを楽しんでいる人にはかなわない」
物事が成就する人と出来ない人の差は、ここにあるのかなと思いました。
P32 歴史と人物に学ぶ人望力の磨き方
佐藤幸徳、福田昌福、二宮尊徳、福田赳夫氏の人望力について書かれていました。
人望力のあるリーダーの共通点として基礎に「仁」の心を持っているという事でした。
論語の「仁義礼知信」の「仁」つまり「恕」ですよね。真心からの思いやりがあるかという事だと思います。
特に印象に残ったのが
引用:戦闘中に左右から敵の魚雷が向かってきたことがありました。どうにも避けようのない状況の中、木村中将は「航海長、真っすぐ進め!」と命令します。すると、一つの魚雷は手間で不発となり、二つ目も深水の深いところを通り過ぎ、難を逃れることができました。戦後、「なぜあの時、『真っすぐ進め』という命令を出したのですか?」と尋ねられた木村中将は、「操舵機を握っている若い士官に『艦長の命令どおり直進したから命中したのだ』と責任回避させてやらなくちゃあ。どうせ命中するのだから」と答えたと言います。つまり全ての責任は艦長の自分にあるということです。
部下を思って艦長の自分が全ての責任を取る。この覚悟を見せてくれれば皆んな納得できるという事なんだろうなと思いました。そこまでしてくれる人に付いて行く人は、当然同じ覚悟を持っていて、そういうチームが集まっているからこそ運命を開いていけるんだろうなと感じました。
これは、サーカーだとチームメイト、会社で言えば社員、コロナという意味では政府と国民という感じ何ですかね。。。覚悟が見えれば皆んな納得して行動できると思うんですが。。。昨日の政府で言えば「経済を動かしたい」という本音と言葉が噛み合ってないので、あまり伝わらないという事なんですかね。。。一人一人が今を受け入れて思いやりを持った行動を取ることが大事だと思いました。
P38 困難を乗り越える感性型リーダーシップ十か条
今、大転換期の時代に、「本質は理性である」という西洋的な考えから「心、感性である」という東洋的な考えにシフトしているとのことでした。
「教育力」「個性、人望」「行動力」「先見力」「仕事の価値」「生き方を支える哲学」「成長意欲」「創意工夫への努力」「文化力」「人間性」という、これからの時代の「魅力あるリーダー」に必要なものとして「感性型リーダーシップ十か条」というお話が書いてありました。
引用:部下指導は命令から対話へ、マネジメントは管理からパートナーシップへと変化していかなくてはいけません。お互い認め合い、感謝し合う関係を築き上げ、共に会社を成長させていくのです。
非常に難しい時代に入ったなと感じていて、「指示命令ではなく対話する」「マネージメントは管理からパートナーシップへと変化する」というのが印象的でした。これからは、うちの子供の時代には間違いなく終身雇用の時代は終わっていて個々でこれをやって行く時代になると思います。私もおそらくは、まだ現役だと思うので今から感性型の経営を実践していかないと変容した時代に対応できないと思いました。
P48 芸術の力で人々に癒しと感動を与えたい
画家の水上さんが、どうやって交通事故の後遺症と向き合い運命を切だれりひらく、きっかけを掴んだのか,
について書かれていました。
小学校の同級生でピアノの上手な女の子がいたんですけど、彼女に「水上、私のために一枚、絵を描いてくれない?」って言われたんです。それで『わが愛の譜』という作品を描いてプレゼントしたら、とても喜んでくれまして・・・。誰かのために絵を描いて喜んでもらえたことが、「これでいいんだ」「また描きたいな」っていう意欲に繋がったんです。
友達の言葉で変わったという話です。
論語で「好きな人であっても、それを楽しんでいる人にはかなわない」というのがありますが、論語を学び実践する会で楽しむとは自分が楽しむだけでなく人を楽しませるということだと教えていただきました。これが水上さんの原動力だと思って、だから継続できるし、また感動を人に伝えることが出来るのだと感じました。
自分の子も絵が好きで中学に入ったら美術部に入ると言っていて、クラスの友達に絵をプレゼントしたりしていますが、もともと絵を描くのが好きなのはもちろんですが、喜んでもらえた経験がまた絵に向かわせているんだと思います。
P58 日本語こそが世界を平和にする鍵
いろいろな事例をもとに「日本語は共感の言葉である」と解説されていました。日本人が穏和な性格の理由がわかった気がします。
印象的だったのは
引用:主語を重要視するこの発想は、少々危険です。主語がなければ文が成り立たないのですから、会話の中で常に「主語」を探す癖がつきます。すると、思考が自己中心的で攻撃的になってしまうのです。2001年9.11の同時多発テロが勃発した際、当時のジョージ・W・ブッシュ大統領が真っ先に発言したのが「どうして起こったのか?」ではなく「誰がやったのか?」でした。アメリカ全土であっというまに主語捜し、つまり犯人捜しが始まってしまったことに呆然としたのを覚えています。
主語の影響ということなんですが
主語を探すクセが人間の思考を自己中心的で攻撃的にしてしまうというのは以外でした。アメリカが訴訟大国と言われる理由なのかなと思いました。
引用:日本語の文章に主語があると説く教えは英文法の模倣であって、日本人の母語に根ざした教えではありません。にも拘わらず、戦後75年がたった今も、その誤謬が正されていないのです。これは日本文化の崩壊に繋がりかねない重大事であることを声を大にして伝えたいと思います。
これ、英文法の模倣だったんですね。
主語の考え方が母語に根ざした考え方でなく模倣だったというのはショックでした。
今、日本でも見られるSNSでミスした人間を攻撃する傾向は、「どうして」という理由よりも「誰がやったのか」という人を攻撃するクセが付いてしまっているのかもしれません。
このコロナ禍で思うのは、「人に迷惑をかけない」という日本語の共感の力はすごいなと思いました。
ただそれと同時に、自分の周りと違う行動をとる人やミスをした人を攻撃する面もあって、一人ひとりが言葉だけではなく本質を学んで行かないと難しいのかなと感じました。
P62 日本よ自立国家たれ活路はそこにしかない
バイデン政権と中国との今後やヨーロッパ諸国と中国の距離感など政治的な動きと今後、日本が自立国家であるにはどうするか、憲法の話も含め書かれていました。私はあまり政治には詳しくなくてニュースの情報くらいしか知識がないのですが、ITにおいては圧倒的な差がついているという認識で、その面から考えると、昨年7月頃にあった習近平の国賓問題と言うのは何となくわかる部分はあります。
アメリカのGAFAに対抗して中国はBATH(バス)というのがすでにあって、BATH(バス)っていうのは中国のバイドゥ(B)、アリババ(A)、テンセント(T)ファーウェイ(H)です。この辺は日本の企業との差は歴然で、5G機器(ハードウエア)市場では中国の ファーウェイが一位で30%以上をしめているという状況です。
後は日本としてはデバイスという意味ではファーウェイ と契約してるところもあるので、これが白紙になっちゃうと電子デバイス産業の厳しくなってくると。。。政府も中国を無視できないんだと思うんですよね。
ただ共産党の独裁国家という面はもちろんあると思っていて、共産党の党員はちょっと悪いことしても捕まらないとか。他にも党はあるんだけども、あくまで対外的なもので最終的には共産党の言うことを聞かなきゃいけないとか、怖い面もあると思います。ここは、注視して行かなきゃいけないし、一方で経済において中国と向き合わないと、いけない部分もあるので日本は難しい判断をしていく事になると思います。
おわりに
今回の致知を読んで、「運命をひらく」というテーマで、読む前は「自ら切り開く」というイメージだったんですが、実際に致知を読んでみて、「相手への思いやり」だなと思いました。 今を受け入れて自分と向き合うにはまず「思いやりの心」がないと難しい。でも「思いやり」ってまずは挨拶からだと思うんですね。「礼」ができないといけない、、、最初に話しましたが「感謝」ですね、、、つまり「ありがとう」今ある自分に感謝ですよね。
今いる自分は当たり前でなく存在自体が奇跡なら、やはり「恩の溯原」に行き着くと思います。
「先祖敬い」、「今に感謝する」ことが出来なければ「運命をひらく」ことは出来ないと感じました。
あと、2005年3月の致知に蜂谷(はちや)さんの記事が紹介されてたんですが
引用:平和という字は平らに和むと書くでしょう。その最初は挨拶なんですよ。挨拶すれば互いに和み合って仲良くなる。親子でも兄弟でも、朝起きたら「おはようございます」「おはよう」と挨拶できる人でなきゃ駄目です。家族愛、郷土愛、愛国心はそこから生まれるんです。だから挨拶もできない人に平和を説いても何にもならんですよ。
まさに、挨拶だと感じました。倫理も初めの実践は挨拶実習から入ります。初め形から入るんですが、最後にはちゃんと先祖に向き合う事になる。最初の1年は、一人で行っていたお墓まいも今では子供も一緒に家族で毎月墓参しています。
まずは挨拶から初めて自分のコップを立てることが大切だなと思いました。
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