宇都宮木鶏クラブ

宇都宮木鶏クラブ 令和5年11月度第337回月例会 特集 「幸福の条件」 読後感想発表

2023年11月12日

致知11月号R5年 「幸福の条件」

小森 俊宣

※自分はどうありたいか?

※本の9割は忘れる たった1文、 心に響く1文を探す。 その1文こそ、大切に大切に、少しずつ少しずつ自分のものになっていくことを願う。 ※上記は7月号の担当の時に書いた文だが、 情けないことに10割忘れた。

残っているのは 「言志四録」 「二宮翁夜話」 を3ヶ月の間、 毎日寝る前に少しずつ読ん だこと、 行動したことのみ。 だが内容は、4ヶ月目には忘れてしまった。 ※また1から繰り返すのみ。 たった1文を探し、 自分のものにしたい。 自分のものとは?

たった1文を見つけ出し、意識し行動し、感じ考え、 自分の 「信」 考えとする。 あわてることはない、あせることはない、 たった1文でいい。 自分のものとしたい。 ※今月号は 「幸福の条件」 自分は幸福である。 今までずっと 「幸福」 とは思えなかった。 最近は、 「幸福である」と言い切ることにした。 言い切ることにより 「幸福になる」 理由は脳が探し出す。 理由を思い出すことで改めて「幸福」 を感じる。 「すでに幸福で ある」 幸福になろうと理由を探すとなかなか幸福になれない。

※ 「幸福の条件」 はなんであると応えるのであろうか、楽しみである。

特集 総リード 幸福の条件

人生を幸福に生きる知恵 「ヨブよ、 腰に帯して立ち上がれ」 前田万葉さん (ローマ教皇庁枢機卿) 鈴木秀子さん (文学博士)

私たちが感謝の心をいつまでも忘れず、 憎しみの心をすぐ消してしまうことができれば人間同 士の憎しみ合いもなくなり、 戦争もなくなり、 平和な社会が実現できるはずです。

五島列島の下から2番目に久賀島という島があるのですが、 そこに 牢屋の」と呼ばれる殉 の地があります。 明治時代の初期、 潜伏キリシタンだった先祖9人が迫害を受け、その中の一人 当時21歳の青年だった曽祖父 紙村年松でした。

日々起きてくる出来事を素直に受け入れて、 縁のあった人を大切にしていく。 そうやって一人 ひとりができる範囲のことをやっていくこと、 “幸せ発信地” となっていくことが、 世界を平和 こする一番の道なのではないでしょうか。

このキリシタン牢は 「六」 という名の通り畳12畳の広さです。 それを半分に仕切って男 上女性に分けられて、 そこに信徒200人余りが閉じ込められたんです。 立つのも辛い状態で、 幼 子どもは間に挟まれて宙ぶらりんだったそうです。 力尽きた人はずり落ちて、 死体はそのまま 置されて蛆がわくという本当に酷い状態だったと伝えられています。

時々、 牢から出された信徒たちは口から水をどんどん入れられたり、 両足を縛られて船で海 コを引きずり回されたり、あるいは丸太を四つ切りにして尖った部分に膝を立てさせられて、 から重たい石を載せられたりと、ありとあらゆる残虐な責め苦を受けました。 食べ物といった 僅かにサツマイモが朝晩1個ずつ。 年松はそんな苛酷な 「六坪牢」 で8か月間耐え抜いた後に釈 れるんです。

こういうことが本当にあり得たのかと思うほどの悲しい歴史ですね。

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島の人たちが苦しい殉教に耐え抜くことができたのは、お互いが一つの信仰で結ばれていたか らだと思います。 人間が苦しみを乗り越えるには、互いの支えと志を一つにすることがどんなに 大切なのかということを、 殉教の史跡を辿りながら私も身に沁みて感じました。

学問せよ 団結せよ 闘争せよ

佐々井秀嶺さん ささいしゅうれい (インド仏教最高指導者)

国を愛する心、 父母を歌う心、 神仏に手を合わせる心……心のあり方、 倫理・道徳の確立なく して幸せな国家も人生もありません

もう一つは、日本人の心が次第に利己的に、空っぽになっているということです。 日本人らし い日本人はどこに行ったのかと。

幸福な生き方と死に方

帯津良一さん (帯津三敬病院名誉院長) 小澤竹俊さん (めぐみ在宅クリニック院長)

「人生の幸せは後半にあり」という言葉は、愛読書である貝原益軒の 『養生訓』 の底流を貫く考 え方ですが、 87歳になった私の実感でもあるんです

私は晩酌をやらない日がないくらい酒が生き甲斐なんですよ。 晩酌をやる以上は働いたほうが おいしくいただけるわけだから、酒のためにも息ずに仕事を求めて歩いているようなものです (笑)。

私は負の出来事に向き合うことが決して不幸ではなく、幸せに近づくヒントでもあると多くの 患者さんを通して教えられました。

私は長年ホスピス、看取りの現場にいて、解決のできない苦しみを抱えた人たちがどうしたら 穏やかな顔で過ごせるかをいつも考え続けてきました。

しかし、それは命が限られた人たちだけではありません。 自分が誰からも必要とされていない と悩む人たちが子供からお年寄りまでとても多い。 看取りの場で培ったマインドを生かして、そ ういう人たちに関われる担い手が一人でも増えたら、というのがいまの私の思いなんです。

脳科学が明らかにした 「誰もが幸せになれる法則」 岩崎一郎さん ( 脳科学者)

脳磨きは、身近な人との信頼関係を深めて心を一つにし、幸福を実現する道でもあるのです

歯磨きを毎日行うのと同じように、 脳を鍛えることを日々の生活習慣にして、 幸せな人生を歩 む方を増やしたい。 私が脳科学者として、そうした願いを込めて提唱しているのが 「脳磨き」 で す。

脳は860億個の脳細胞と、 それらを繋ぐ膨大な神経繊維からできています。 すべての神経を 繋ぎ合わせた長さは約50万キロメートル。 地球と月を繋いで、さらに地球を3周できる長さです。 かくも膨大な脳細胞と神経繊維が脳の中に詰まっているのです。

そして脳が最も活性化するのは、この脳内の膨大なネットワークが協調的にスムーズに働いてい る時であり、 それは幸せを感じている時の脳の状態でもあることが、 米国ウィスコンシン大学の 研究で明らかになっています。

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ところが残念なことに、 普段私たちの脳のネットワークは部分的にしか使われておらず、幸せ な脳の状態の100分の1~500分の1程度しか活性化していません。

脳が最大限に活性化し、幸せを感じている状態にしていくには6つの方法があるのです。

幸福な国 日本をいかに実現するか 小堀桂一郎 (東京大学名誉教授) 田久保忠衛 (杏林大学名誉教授)

世界は激しく揺れ動き、 国政は混迷の度を深めている。 我が国がこの厳しい試練を乗り越え、 真に幸福な国家となるために成すべきことは何か。 幸福な国・日本を実現する道。

国が国民の生命と財産と名誉をしっかり守ってくれること。 それこそが日本国民にとって最低 限の幸福の条件であるといえます。

世界ではアメリカの力が基しくして、 対抗勢力としてのし上がってきた中国、ロシアと共 に三極構造を成しております。 中国、ロシアは覇権主義的な野心を露骨に表し始め、ロシアがウ クライナへ侵攻し、 同様なことを中国が台湾に対して行う可能性が高まっている。 日本の安全保 障環境はかつてないほど脅かされております。

ところが、 日本国民はなぜか切迫した危機感を抱いていない。 戦後78年続いた平和に慣れ切っ てしまって、 他国の脅威に対して極めて鈍感になっているのですね。 いざとなったらアメリカが 助けてくれると思い込んでいるのでしょうが、いまのアメリカはとても頼りになるとは思えませ ん。

世界では既に崩壊した戦後レジーム (第二次世界大戦後に確立された世界秩序) を、日本はい まだに引きずっているわけです。 戦後の世界は米ソ冷戦構造が壊れた後、 アメリカー極体制にな りました。 その後、 小謡先生がおっしゃるように中国などの中級国家がどんどん国力を高めてき アメリカの相対的弱体化が始まり、 さらにアメリカの絶対的弱体化が顕在化し始めた。 日本は いま、 核を持った三つの国家、すなわち中国、ロシア、 北朝鮮に囲まれた世界最悪の安全保障環 境に置かれています。 にも拘らずアメリカへの依存心を拭い切れず、 全く緊張感を持てずにいる のが現状だと思います。

戦後の日本人は、国を守ることから目を背け、 物質的な幸福ばかりを追い求めるようになって しまいました。

ちなみにアメリカの国内では、主義の異なる国民同士がお互いの主張をぶつけ合い、 社会の分 断が進んで国の弱体化に拍車をかけております。 アメリカのデモクラシーというのは元来こうし た弱点を抱えていたのでしょうか。 それともこれは近年新たに露わになった破綻なのでしょう か。

確かにアメリカの民主主義は悪い方向へ向かい始めています。 民主主義には復元力があって、 あまりにも酷い状態になると健全な状態に戻そうとする力が働き始めるものですが、 アメリカに はまだその兆しが見えず、 社会の分断がどんどん進んでいます。

アメリカのヒスパニック系やアジア系など様々な立場の人が独自の主張を始めて社会が分裂 貧富の差が広がるなど、国は急速に力を失いつつあります。

核を保有する三つの国に囲まれ、 世界最悪の安全保障環境に置かれた日本。 「日本国民は世界で一番幸福になり得る条件を備えている」。

一人ひとりが危機感を持って難局を乗り越える国づくりに貢献していきたいものです。

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