宇都宮木鶏クラブ

不惜身命,但惜身命(ふ しゃくしん みょう じゃくしん みょう)

2023年05月13日

2023May

特集

不惜身命,但惜身命(ふ しゃくしん みょう じゃくしん みょう)

読後感想 令和5年5月

大沢 栄

p2~3 巻頭の言葉 君子は和して同ぜず、小人は同じて和せずングス 大倉君は誰とも仲良くするが、自分の意志は大切にします。 敦文夫 もそう思います等とすぐに調子だけは合わせるが、 心から仲良くしない 大妻としてのまとめ

小人は、 私

これからの世界は、ウクライナがどのように決着するかによって、 決まると思います。 鎌倉時代の日本には、大帝国の理不尽な要求を敢然と拒んだ、 北条時宗がいました。 今から、 七百四十余年前、 東洋の小国 日本は世界一の大帝国モンゴルからその支配下に 入るよう強要されました。

当時、日本の国政を担っていたのが鎌倉幕府第八代執権の北条時宗でした。 い国を守る道を択びました。 1274年 (文永の役)と1281年 (弘安の役) の二 度にわたる戦い、 爆弾など当時の最新兵器で武装したモンゴル軍を、 日本国土に前進基地 を構築させず、 敗退させ独立を守りました。 日本全体で、 知恵を集め勇気をだしたの です。

時宗は戦

当時、モンゴル帝国から二度も侵攻を受け、敗れなかった国は他にありません。 この 国難に24~31歳の若さでいどんだ時宗は、 中国からの渡来人、蘭渓道隆 いとうちゅう)

(建長寺開祖) や無学祖元 (円覚寺開祖) を通じてモンゴル帝国の情報収集にも 努めるなど、あらゆる手を尽くして国を守りぬきました。 時宗は、 命を使い果したの でしょう、 わずか三年後に34歳で生を終えました。

p8~9 特集 不惜身命 但惜身命・リード

大意として

自然界の動植物は、全て一生懸命に生きることが前提になっています。 ほつとすると 楽をしようと考えるのは人間だけです。 氏にとっては、いかに努力をしても、途中で倒れたのでは真の意味で一生懸命の努力とは 言えない、ということだろう。 但惜身命は不惜身命の中に含まれている そのこ と生涯にわたって誰にも負けない努力を続けてきた氏の人生が、私たちに教えて くれます。 大成功者は、不惜身命身命の実現者なのです。

稲盛氏は、不惜身命で仕事に打ち込むことの大事さを説き続け、そういう生き方を貫きま した。 だが、氏は惜身命についてはほとんど言及していない。

p10~19

世界の平和に

人生を捧

げて

対談: 茶道真千家餘家元千 室 (せんげんしつ)

西園寺昌美 (さいおんじ・まさみ)

四月で満百歳になられる千玄室氏と、世界各国で講演活動を続ける、 元琉球王家の子 孫で、 五井平和財団会長の西園寺昌美氏、 両氏には歩んだ道こそ違え、大きな共通点があ ります。 世界の平和を願い、 その志のために必死に、 がんばって来たことです。

p12~13 《日本の現状を見て思うこと》(8) 「日本が戦争に敗れて、 日本人達はど のです。 それはアメリカの援助ばかりではない。 日本人の精神力ですよ。 苦 しくても耐えしのび、 辛抱しながらお互いに助け合ってきた。 そのおかげで、 我が国 はここまで立直ることができたのです。 日本人がその恩や歴史を忘れ去っていること 平和、平和と口先だけ平和を唱えながら、 実際に をつくろうと思つたら、 今を大切にしなくてはいけない。 今があってこそ明日がある のです。 いまを自分勝手に生きていながら、 どうしていい未来が築けますか? ですか ら、日本人はいま一度、 自分の置かれた場所、要するに日本という居場所をもっと大切に していただきたいと、 私は心から願っています」。

んな苦労をして我が国をここまで建て直してきましたか。 そのことをよく考えてほしい

が、私は本当に悲しい。

は好き勝手に、我がままにいきているのがいまの日本人です。 しかし、理想的な社会をつくろうと思つたら、今を大切にしなくてはいけない。 今があってこそ明日がある のです。 いまを自分勝手に生きていながら、どうしていい未来が築けますか? ですか ら、日本人はいま一度、 自分の置かれた場所、要するに日本という居場所をもっと大切に していただきたいと、 私は心から願っています」。

(西園寺さん) 「日本人の精神性は、 本来どこの国よりも高いと、 私はかねてより感じています 日本人は和を重んじる気質があり、社会のルールはきちんと守るし、貧しい人、困

つている人がいれば助け合って生きようとする。 しかも、多くの方は上からの指示命 令によるものではなく、 「皆様に迷惑を掛けたら申し訳ない」 「社会を混乱させてはいけ ない」という内から湧き出る思いによって、 自己を制していらっしゃるわけです。

私は多くの国の人たちと交流を続けてまいりましたが、そういう素晴らしい国民性は、日

本人が突出していると感じます。

魂のレベルがとても高いのです。

これからの時代は、そういう年長者たちが手本を示して、若い世代を導いていただきたい と思います。 また、いまのように世界が混乱している時こそ、日本人は先頭に立ち、 その精神性を示さなくてはいけません。 そうなれば、「さすが日本人だ」 と世界から 称賛され、和の精神が世界に浸透していく時が来ると、 私は確信を持っております。 それまで、わたくしも生き続けますから、と西園寺さんは温顔でおっしゃいます。 また 最近、若い人が『致知』 を使って勉強会をしていると聞いて、とても頼もしく感じている

と、言ってくださいました。

《お二人の会話を読んで、 私 大沢は思います。 3月21日、 WBC (ワールド・ベ ースボール・クラッシック) で、 日本チームは米国チームに、3-2で勝ち全勝で世界の 頂点に駆けあがりました。 大谷でさえ、必要ならばバントで出塁する、 チーム第一の 戦い方は、 日本人に限らず世界の人たちに、 感動をもたらしました。 これからの日本 では、世界で働く時には、 日本の利益と共に、 その国の利益と将来の発展の基礎 物心共 に提供出来ると、信じられるようになりました》

p15 《若き日の千さんの、人生を変えた名前・後藤老師のひと言 進駐軍の姿を見て「では負けた。 しかし、これからは文の時代だ。 よし 文でいこう」と決心して、父とも会話すると「本当に決意したのなら修業しろ」と論さ れました。 同志社大学に進み、 卒業後 大徳寺に行くと、忘れもしません。 老師が 私の顔をじっとご覧になって 「禅堂に来た以上、あんたはただの人間や。 あんたは戦 で生き残った。 目にそういう悔しさが出ておる。 その悔しさを捨ててこいと言われ ました。 後日、「あんたはこれまで、どんな思いで、 生きてきたんや」と聞かれま したので、 「不惜身命と答えたら、 フフフと笑うような顔をされて「出直し て来い」 と言われて帰らされました。 後日、訪ねると「この前、不惜身命と言うたや ろ。 不惜身命とは何かに命を捧げることや、 しかしな惜身命たんじゃんみょう)という 言葉もある。 命は捧げる時には捧げなきゃいかんが、 反面、 命はどこまでも大切にすべ きものや。 それも単に大事にするのではなく、他人様 このためになるように使うも のや」。 老師のこのひと言で、まさに目から物が落ちた感覚になったのを覚

えておりますね。 さんは 「魂にズンと響いたのですね。 その僅かひと言ですべてがお分りになられた。 とても私には理解の及ばない世界です。 最近、 若い人が 『致知』 を使って勉強会をして いると聞いて、とても頼もしく感じているのです」。

《私は感じました。 千さんは学生時代からすでに、才能に恵まれ、人を引き付けてや まないものを持っていたのです。 老師は、一目見るなり、高いレベルのお話をその ままぶつけても、受け止め理解して、人生に役立てることが出来る青年だと。 慕った千さんが人物なら、 老師は偉人だったのです。 老師を この出会いを大切に出来たこと は、二人の人生にも善く、 日本のためにも役立ちました。 ように受け止めるかによって、 その後の人生が決まります。》 人生は、 善い出会いをどの

千さんが、長い構りの夜に、高い壇上から軽やか 飛び下りて、スッスッスッと歩かれるのを見ました。 低命(たんにゃくしんみょう)そのものの、先生 なのであります。

《一人ひとりが変わらねば 平和は訪れない》

p19

千さん 「いまメディアではウクライナ戦争を連日報じていますが、これはウクライ

ナだけの問題ではありません。 中国はいまにも台湾に攻め込もうとしていますし、 そ の前に日本は尖閣 (せんかく) の問題を抱えています。

北方領土の問題についても、ロシア

との話し合いができない状態がずっと続いています。

ところが、日本は弾をもっていても撃てないことを外国は皆知っているのです。 られてしまって、尖閣に旗を立てられるようなことがあったらどうしますか。 守ろうとする不惜身命の気概が国民にありますか。

なめ 領土を

そういうことを考えると、 攻撃されても反撃すらできない、 日本の憲法のあり方を見つめ 直す必要がありますね。 専守防衛はいいとしても、攻撃力が伴わない専守防衛はあり 得ません。 攻撃力を伴う戦略的な専守防衛の態勢を整えてこそ、 独立国といえますし いまだにそれができていない 日本の信念の問題です。 ささい 国会で些細 とを真に問いたいですね。 国民の皆さんもこれを他人ごとと思わずに、 しっかりと目 を覚ましてほしい。 西園寺さんとお話していて、感じました。 方は、不惜身命、 但惜身命という言葉そのものです。

それができて本当の意味で平和は維持できるのです。 のは、ロシアが悪いのでも中国が悪いのでもありません。

そのあたりのことを、議員さん方はもっと真剣に議論していただきたい。

な議論ばかりやっているうちに、ミサイルが飛んできたらどうするつもりなのか、そのこ

西園寺さんの生き方は、不惜身命、 但惜身命という言葉そのものです。

「玄室様の強い思いがよく伝わってまいりました。 いまの玄室様のお話を伺っ

ていて私が思ったのは、人々は、世界平和は国がつくるもの、偉い人が何とかしてくれる ものと思っている。 あるいはテレビのコメンテーターの話を聞いて、何となく平和と いうものが分かった感覚 になっている。

そうやって流されるだけで、一人ひとりが変わらなければ、世界は平和にはならないとい うことです。 一人ひとりが自覚を持ってどのように自分を変えていくのか、 その原点 に立ち戻らない限り、 平和な世界が訪れることはないでしょう。 その意味でも、私は年を取っていますけれども、これからもまだ世界を回るつもりでいま 決して偉い人ではなく、 心ある市井の人たちに会いながら人類は皆平等、 一人ひ とりが輝く神聖を秘めているということを、伝えていきたいと思っているのです。 す。

《私は、このお二人の会話を読ませていただくことを、 大変うれしく思います。 な行政や、大きくは国は役人が担当して、運営しています。 人の本質は変化を希望 しません。 前例どおりが、いいのです。 前例どやりだと、 ほぼ自分に責任問題が 起きません。 人は変化を口にはしますが、月日が経つと、 国民はいつも何も変わ っていないことに気付きます。 野党に至っては、ほぼ手間のかかりすぎる提案などは したためしが、ほとんどありません。 日本は30年も変化発展せず、 二流国になって しまいました。 安い国になってしまい、 このままでは、日本は下請け国になります。 選挙は、真剣に調べ、投票しましょう。 機会があったら、 自分の意見を表明しましょ う。 政治は、必ず意見の多数の方向に動きます。 国を持たない人たちの悲惨な生 活は、これでもか、これでもかというほど、毎日みせつけられています。 国と国民は、不惜身命 但惜身命なのです。 真剣勝負で、 なければなりません。》

身近

以上

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