宇都宮木鶏クラブ
線に響く言葉
令和3年4月2日 手塚
功詐は拙載に如かず 功詐不如拙誠 韓非子
「功酢」は、へたな考えをめぐらして表面をとりつくようなやり方。 一見、 す ばらしい策のように思われるかもしれないが、かえってまわりの反発を買って しまう。 「拙論」とは、つたなくても心のこもったやり方。 愚直と言ってよいか
もしれない。
人生を生きていくうえで必要なのは、「功詐」よりも「拙誠」だというのが、
この言葉の意味である。 「功罪」 は、 人の目をごまかし、一時を金できるかもしれない。だが、ごま かしやペテンは、いずれ必ず馬脚をあらわす。 その点、「誠」 はじわじわと人 の心をとらえる。 長い目で見ると、たしかに 「功詐」 より 「相談」 のほうがまさ
っているようだ。
ある意味で、現代は「功詐のもてはやされる時代だと言ってよいかもしれな い。 だが、 人間関係の基本は、昔も今もそんなに変わっているわけではない。 「功詐」よりも 「拙」 を求める気持ちは現代でも強く生き続けているのではな いか。
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