宇都宮木鶏クラブ

李氏第十六

2017年09月01日

29.09. 01 大貫

宇都宮木鶏クラブ古典学習

論語一章

李氏第十六

「子曰く」で始まる章句がひとつもなく、 「孔子曰く」 になっている。 箇条書きになって いる部分が目立ち、章句のトーンが異なる。

李氏第十六章 (251p)

ともたぶん こうしのたまわ ともき えきしゃさんゆう なおとも まこと そんしゃさんゆう

孔子曰く、 益者三友、損者三友、直きを友とし、 諒を友とし、 多聞を友とするは益なり。

べんぺき とも ぜんじゅう とも べんねい とも そん 便辟を友とし、善柔を友とし、 便佞を友とするは、損なり。

[通釈]

交わって益する友に三種類があり、 損する友に三種類がある。 素直で正直な人を友と し、誠実な人を友とし、 知識の豊かな人を友とするのが益である。 体裁ぶる人を友とし 人ざわりがよくて誠実のない人を友とし、口先ばかりで調子のよい人を友とするのは損 だ。

[解説]

この章は友を取るのに得失のあることを明らかにしたのである。 利害得失はこのように明らかなのに拘わらず、 人は常に益者三友に遠ざかって損者三 友に馴れ親しむものである。 慎まなければならぬことである。

[論語からの学び]

どのような人を友だちにするのか、 は大切なことだけれど、難しいことでもある。 朱に交われば赤くなる、 のことわざがあるように、 善い友だちとふれ合えば良くなる し、悪い友だちとふれ合えば、悪くなるのだから、選ばなければいけない。 また、類は友を呼ぶ、 のことわざでは、 友だちは似たもの同士がなるもの。

友を選ぶ前に、まず自分が善い人間であるならば、 そのような人が寄ってくるもので ある。 善い友人がほしいと思うならば、まず自分自身が善い人間でなければならない。

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