宇都宮木鶏クラブ

致知2月号2025年 「2050年の日本を考える」

2025年02月08日

chi chi 2025
February 2

特集
2050年の日本を考える

読後感想  令和7年2月 大沢栄

[巻頭の言葉] 過てば則ち改むるに憚ること勿れ。 過ちて改めざる、

是を過と謂う。
『論語』 学爾・衛霊公

1990年前後、 日本は世界競争力ランキング等で、 世界一位、二位を争う地位にありました。
他国から 「ジャパン・アズ・ナンバーワン」 と称され、 おだてられ、日本は浮 かれていましたが、 のぼせあがって、 月日は急激に進み、 2024年の世界競争力ランキ ングは過去最低の三十八位という悲惨な状態になってしまいました。
失われた十年、 二十年、 三十年と言われ続けながら、 その失敗の原因が何処にあるのか、 則ち我々の過ちの本質は何かを明確にせず、 国民的な合意もなされずに、 無為に過ごして きました。 「過ち」 を 「過ち」 と認識できない最大の過ちを犯しつつあるのです。 最近の日本の現状を見ると、《政治》 《経済》 《社会風潮》 どれを取っても、 明らかに過 《政治》《経済》《社会風潮》どれを取っても、明らかに過 ちを犯している事例が多すぎます。 栃木県人は、道徳的に日本でハイレベルだと言い 切れない気がします。 大沢は思います。
周りの人には、 温顔で接しましょう。
言葉が通じなくとも、 心は確実に伝わります。
交通ルールを守りましょう。
步行者例え外国人であっても挨拶しが優先です。

P6~7 [特集] 2050年の日本を考える

総リード

昭和二十年、第二次大戦で日本は敗戦、 都市や街はほぼ焦土と化した。 その敗戦からわずか十九年後の昭和三十九年、日本は新幹線を走らせ、 高速道路を建設し、東京オリンピックを開催した。
このことについて、 ヤナセの梁瀬次郎氏は、 親しくしていた元総理の吉田茂氏から質問されました。
元総理は言った。
「梁瀬君、日本は何の資源もない国だ。 その国 がたった十九年で、これだけの復興を遂げたのはなぜだか分かるか」。 梁瀬氏は即答 「日本には何の資源もないが、 たった一つだけ資源があった。 それは日本人の勤勉性という資源だ」。 柳瀬氏は思わず膝を打って納得しました。

晩年の森信三師から、弟子の寺田一清が聞いたという言葉 「2025年、日本は再びよみ がえるきざしを見せるであろう。 2050年になったら、 列強は日本の底力を認めざる を得なくなるであろう」。 つまり、日本はやるべき時は必ずしっかりとやる国だと、 自信を持っているのです。

最後に管子の言葉、 《一年の計は穀を樹うるに如くはなし / 十年の計は木を樹うるに如く はなし / 終身の計は人を樹うるに如くはなし》
一年の計は米穀を、 十年の計は木を、百年の計は人をそだてることが大事という教えである。
知識や技能を教える教育日本をよみがえらせるための “要” は、 教育です。
知識や技能を教える教育も大事だが、それ以上に大事なのは、人間の心を高め、 人間の徳性を養う教育、即ち人間学の教育なのです。

P62~71 2050年 日本を富国有徳の国にするために
我が国から勤勉 修養の精神をなくしてはならない

臨済宗
作家 北康利
東洋思想研究家 田口佳史
円覚寺派管長 横田南嶺

かつて地中海全地域を支配し、 繁栄を築いた古代ローマ帝国は、ローマ人がローマたらし
めているものを失ったから滅びたという。
何だろうか。
その一つは 「勤勉・修養の精神」です。 きこの精神が失われつつあると感じられます。
では、日本を日本たらしめているものは、日本で一番の宝とも言うべ富国有徳の国にするための道筋を、横田南嶺 田口佳史 北康利の三名の先達に学びます。

p63~64
「枝葉末節の議論に終始しているいまの日本」。 陽明学の祖王陽明は 言いました。 「衰退への道を歩みだした国は、 本質を外れて枝葉末節論ばかりを繰り返 すようになる」。 大沢は、この文章を読んだとたん寒気がしました。

p65 北先生は言います。 「2018年に世界百八十六か国の中学生に行なった調査 「親や教師を尊敬していますか?」 という質問に対して、 「はい」と答えた生徒の割合が 一番高かったのは韓国、 二位は中国でした。 日本は、百八十六位、つまり最下位だった のです。 別の研究グループの 「もし戦争が起ったら国のために戦うか?」 という質問 に対しても、日本は「はい」と答える人の比率が世界の主な国、 七十九か国中最低でした 米国ギャラップの調査 「仕事にやりがいを感じている社員の割合は、日本では五パ ーセント」 世界最下位です。
今までは、悪いことばかりでしたが、 良い所もだんだん出てきます。
評伝作家の北先生は言い p65・4段 昔は、日本や世界の偉人の話が沢山でました。 す。 「実は、いまの日本は先進国の中で一番評伝、 伝記が少ない国になってしまって います。 なぜなら戦後、 軍人も政治家も先生も否定され、同時に先人に対する尊敬の念 、感謝の念が失われてしまったからです。 私が評伝作家という労働生産性の低い職業で 頑張っているのは、 先人に学び、 尊敬し、 感謝する心を復活させることが、 いまの日本に 一番必要なことだと考えるからです。

p64 ・3段 日本という国は四十周年で時代が変換すると言われています。 北先生は言います。 どん底の大政奉還から四十年後に、 日露戦争に勝利し、 その四十年後に大 東亜戦争に敗れ、 四十年年後が日本経済の絶頂、 その四十年後がいまです。
でも、若い人を見ていますと我々の若い時よりはるかにイキイキやっているように感じま す。 やっていこうという傾向が伺えます。
東大にしても、組織に縛られる役人や大企業を目指すより、 起業家を目指し自由に日本の自殺者数は、2003年の34427人をピークに2021年には21007人と 役3分の1に減っています。

p66 世界は異なる宗教、 あるいは同じ宗教の中でも考えが違う者同士が戦争をします
しかし、日本では基本的にいろんな宗教が融和してしまいます。

p66~67 《チームで力を発揮するのが日本人》
北さんはこう表現する。 日本は台風の通り道だし、地震はしょっちゅう、 飢饉はあるし 、疫病もある。 自然には人間ごときには太刀打ちできないすごい力があると認めて、 神 社の前で頭を下げる。 そういう謙虚さも日本人らしさだと思います。
この謙虚さですとか、異質のものを取り込む力というのは、すべて協力する力、チームで 頑張る力に結びついていると私は思うんです。 例えば、日本の短距離走の選手は、一人 ひとりのタイムでは海外の強豪国にかなわないのに、 バトンを渡すという共同作業が入る だけでリレーでメダルを取ったりする。
会社にしろ家庭にしろスポーツにしろ、 複数の人間が集まった時に力を発揮するのが日本 人であって、ここを失ってはならないと思います。

p70~71
小泉八雲が1890年に来日した時にこういいました。 「日本人のよう に、幸せに生きていくための秘訣を十分に心得ている人々は、他の文明国にはいない。 人生の喜びは、周囲の人たちの幸福にかかっており、 そうであるからこそ、無私と忍耐を われわれの内につちかう必要があるということを、 日本人ほど広く一般に理解している国 民は、他にあるまい」。 幸せに生きるということは、周りを幸せにすることであるある という考え方が、 日本人にしみこんでいることに八雲は驚きました。

p71 最後に、横田南嶺先生がしめくくります。
私は今日お二人から学んだことを踏まえて、 修業や道を学ぶことがいかに楽しいものであ るかを身をもって示していくことが、 自分の務めのすべてであると覚悟を新にしました。
《命の尊さを自覚し、 自分が思い定めたものに命を懸ける。 そして、そこに喜び、 楽
しみを見出していく。 》
そんな私の姿を見た若い人たちが、 「管長が楽しそうに修行しているから、 自分もやって みよう」 と、 後に続き、 それが少しでも国をよくしていくことに繋がっていけば本望であ ります。 ささやかではありますけれども、それが2050年という日本の未来を見据
えた、私自身の実践と心得ております。

  • 致知2月号で、2050年の日本を素晴らしくするための学びを、 高いレベルで出来 ました。
    読書できたことに、感謝しております。

以上

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