宇都宮木鶏クラブ
大貫
琴線に響く言葉
刀瘡易没悪語難消
(とうそうはぼっしやすく あくごはけしがたし)
【意味】
刀でつけられた傷はいつか消えてしまうが、 言葉による傷は消すことが難し
い。
【解説】
人間は、他者と結びつくことで生きている。 誰かに必要とされれば自分に価 値を感じられるし、 逆に、誰からも必要とされないと、 自分を空疎な意味のな い存在だと感じてしまう。 暴力は勿論、人の命を危険にさらす。 しかし、誰か を言葉によって否定することもまた、 その人が生きようとする意志を揺るがし、 危機的状態を生むのだ。
私たちは、 自分の言葉が相手に及ぼす影響を過小評価しがちだ。 インターネ
ットでの中傷事件がしばしば報道されるように、 匿名の世界では、特にこの傾
向が強まる。 一方、 誰かから言われた言葉には、 とても敏感に反応する。 その
意味を何倍にも増幅してしまうこともある。
【言葉からの学び】
人間は自分で自分を外側から見ることができない。 だからこそ、他者の目に 映った自分の像を 「見たい」 と感じる。 その分、他者の自分に関する言葉には、 重みがかかる。 人から大切にされているのだ、と思えることは、 人にとってか けがえのない喜びであり、 生き甲斐だ。 逆に、誰かに否定されるということは、 それだけで日々が真っ暗闇になるほどの衝撃となる。 そんな、 とても簡単なこ とに気づかずにいたために、 突然、 大切な人が自分から離れていったりする。 人の心を丁寧に扱うということは、 自分の言葉が相手に及ぼす影響力の本当 の強さを知ることから、 始まるのかも知れない。
« 或ひと曰わく、 徳を以て怨みに報いば何如。 子曰わく、 何を以てか徳に報いん。 もんむく とく もっとく むく 直きを以て怨に報い、 徳を以て徳に報いん。 昔は、文学者が本を書いて、 大衆が読んだものだ。 いま、大衆が書いて誰も読まない。 »
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