宇都宮木鶏クラブ
令1年8月2日
手塚
木鶏クラブ古典学習
「子曰く、 しくも仁に志せば、悪しきこと無き出
通釈
孔子が言った。 「仁、 すなわち人間に対する愛を、 目標として心にもてば、す べての悪は、排除され、消滅する」
感想
身近なところでは周囲の人に愛 (思い遣り、関心、興味) を思っていれば、 悪いことなど、吹き飛んでしまうと考えます。
参考 (吉川幸次郎解説)
はじめの苟という字の読み方については、やや説が分かれる。 それは仮定の
助学であるには違いないが、もしも確実に仁に志すならば、と読むのは朱子で あり、その系統の訓では苟に字をマコトニと読む。 もしも少しでも仁に志しさ
えすれば、と読むのは祖徠であって、 いまそれに従い、 イヤシクモと調する。 また、 無悪也の三字は、悪の字を悪0 (あく) と読み悪事はなくなる、 とす るのが普通の説であるが、 悪の字を悪WU (お) と読み、人から悪まれない、 憎悪されないと読む説が、 仁斎の論語古義、および劉宝楠の論正義にある。 そうして仁斎は、 世職すなわち世論というのは、はなはだ公平なものであり、 人の心というものは、はなはだ真直ぐなものであるから、人から悪まれるよう な人間は、 要するに欠点のある人物である、というよう説を述べている。 常識 こそ、常に心理であるとする、 仁斎の哲学である。