宇都宮木鶏クラブ

不入虎穴 争得虎子

2019年07月05日

1 J 令和元年7月5日

大貫

琴線に響く言葉

不入虎穴 争得虎子

(こけつにいらずんばいかでかこしをえん )

[意味]

虎穴に入らずんば虎児を得ず、とも言う。 虎の穴に入らなければ虎の子 は手に入らない。 危険を冒さなければ大きな成功は収められない。

[解説]

十年程前に十四歳前後の自殺がしばしば、 報じられた。 十四歳前後とい うのは、幼い子供から少年少女へと変化を遂げる、いわば節目にあたる。 その段階で、子供たちは「子供」として一つの完成された境地にたどり着 くのだそうだ。 これはある種の「老成」 のようなもので、 世界の本質的な 無常に気づいて、 静かに絶望してしまうような状態なのだという。 この状 態はとても純粋で、 ゆえに、 脆いのである。

大きく変化を遂げる分岐点というのは、その人にとって、 非常に危険な のであり、 その橋を越えることに失敗するかもしれないからなのだ。 禅は、人間に「根本から変化せよ」 と迫る。 このことは大変危険なこと なのだ。 過去に培った防具を脱ぎ捨て、新たな道着を身につけるまで、 自 分を守るためのものを何も持たない状態になるからだ。

[言葉からの学び ]

日常生活でもそうで、 人は本当に変わろうとする時いつも、 断崖の上を

歩く危険を冒す。 断崖から落ちて、 這い上がれなくなる人もいる。 それで もそこを乗り切った人は、得難い力を手に入れるものである。 強く生きて いる人ほど、そんな恐ろしい危険をいくつも乗り越えてきているのだろう と思う。

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