宇都宮木鶏クラブ

季康子、 政を孔子に問う。 孔子応えて曰く、政は正なり。 子師いるに正しきを以てす れば、たれか敢て正しからざらん。

2018年04月06日

木鶏古典学習 論語一章

平成30年4月6日 渡邊

今国会の与野党間で大きな問題となっている事柄を、 論語に照らして考えてみたいと思

います。

P. 172 「季康子、 政を孔子に問う。 孔子応えて曰く、政は正なり。 子師いるに正しきを以てす れば、たれか敢て正しからざらん。」

通釈 1

季康子(魯の大夫)が政治の要道を尋ねた。

先師が答えられた。

「政は正です。 あなたが、率先して正しくされたなら、誰が敢て不正を行いましょうか」 通釈ⅡⅠ

季康子が政を行う道を孔子に問う。

孔子がこたえていわれるには、「政は正という意味であります。 人の不正を正すのであり

ます。 しかし己が正しくなければ、 人を正すことはできません。 もしあなたがまずご自身を正しくして、衆人を率いなさるならば、 誰が正しくならない 者がありましょうか。」

解説

この章は政を行うには、まず己を正すべきことを述べたのである。

一魯では中ごろから大夫が政権を専らにし、 大夫の家臣はこれに倣って、 不正がは なはだしかったから、 孔子がこの語を告げ、 康子が正をもって自ら克って、 従来の行いを 改めることを望んだのであるが、 惜しいことに、 季康子は利欲に溺れてそれができなかっ た。 (胡寅の説)

「政を為す」 は人君の事。

「政に従う」 は大夫の事。

子路編には 「子曰く、 其の身正しければ、令せずして行われ、 其の身正しからざれば令

すといえども従わず。」 とある。 (通釈) 民を教化するのは命令ではなくて、 上にいる人の一身にある。 もし上の人が 自ら正しいことをして民を率いれば、命令しなくとも、 徳化が自然に行われる。 もし上の 人が自ら正しくないことをしていれば、いくら命令しても民は従わない。

« »

2018年4月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30