宇都宮木鶏クラブ
木鶏古典学習
平成29年10月6日 渡邊
論語一章
子路第十三 17章 (P.192)
子夏、 莒父の宰となりて政を問う。 子曰わく、速かならんと欲すること母かれ。 小利を見ること母かれ。速かならんと欲すれば則ち達せず。 小利を見れば則ち大事成らず 。
「通釈」
夏が、百父 (魯の町) の代官になって、政治の道を尋ねた。
先師は答えられた。
「速やかに成果を挙げようと思うな、 目先の利にとらわれないようにしなさい。
無理に速くしようと思えば、 目標には到達できない。 目先の利にとらわれると大きなこ
とは完成しないよ。」
「解説」
ここで孔子は二つのことをあげている
第一は、 「速やかなるを欲するなかれ。」
あせるな、腰をすえて、じっくり仕事に取り組みなさいという。 言葉を換えれば、 「長期的な視野を持ちなさい」 ということになるかと思う。
第二は、「小利を見るなかれ。」
目先の小さな利益に心を惑わされないようにしなさいという。 さらに言えば、「大局的な判断をしなさい」ということになるかと思う。
「論語からの学び」
山田方谷が江戸遊学中に佐藤一斉から学び、 その学びから得た志の高い精神が思想となっ
て、 二松学舎の創設者の三島中洲に、 そして渋沢栄一へと繋がられて、 その思想が現在ま
で多くの方々に脈々と受け繋がれている。
山田方谷の言葉に「義を明らかにして利を計らず」とあるが、この言葉は上記の孔子の言
葉からさらに進化して思想にまで高められた言葉のように思う。 古典を学ぶとはこのように自分の志を高めるように学ぶことなのかと、 今回改めて気づき
ました。
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